事業目的と許認可
事業目的と許認可について説明する前に、事業目的について説明します。 ■事業目的とは? 事業目的とは、会社がおこなう事業(ビジネス)の内容のことをいいます。 会社は事業目的に記載された範囲内においてのみ法人格を有するとされいています。 簡単に言うと、事業目的に書かれたこと以外の事業をやる場合には、法人とは認められないということです。 この事業目的は会社を設立する際に、絶対に必要になる定款という書類に記載されます。また登記事項(法務局に登録する事項)でもあります。 実際の事業目的の記載例は下記のようになります。 事業目的の記載例 1.インターネットを使ったマーケティングリサーチ業 2.パソコン教室の運営 3.インターネットを使った通信販売業 4.経営者を対象としたセミナー業 5.輸入雑貨品の卸および販売 6.前各号に付帯する一切の業務 この目的は定款や法務局に提出する書類(登記すべき事項)に記載されます。 定款に記載された場合は下記のような表記になります。 定款に書かれた事業目的の事例 (目 的) 第2条 当会社は、次の事業を営むことを目的とする。 1.インターネットを使ったマーケティングリサーチ業 2.パソコン教室の運営 3.インターネットを使った通信販売業 4.経営者を対象としたセミナー業 5.輸入雑貨品の卸および販売 6.前各号に付帯する一切の業務 事業目的についてはお分かりになったでしょうか? では、次に事業目的と許認可について説明します。 ■事業目的と許認可の関係 目的に記載した事業が許認可の必要なものである場合には十分な注意が必要です。 許認可とは一般の方には禁止されているビジネスを一定の要件を満たしているものに限り許可を与えるというものです。 例えば古本屋を営む場合には「古物商許可」が必要になります。この許可か無い場合には古本屋をビジネスとして行うことはできません。また、許認可を取得する場合には一定の規模の事業所、設備等が必要になる場合もあるので注意が必要です。 また、紹介予定派遣業を行いたいときには事業目的に「有料職業紹介」という文言が記載されていなくては許可が出ません。 ご自分が行うとしている事業がこのようなものに該当しないか十分に注意をして記載するようにしてください。 ●目的の組み合わせについて 事業目的の組み合わせにも注意が必要です。 例えば、紹介予定派遣業を行いたいとき、事業目的に「有料職業紹介」という文言が記載されていなくてはいけません。しかし、この文言の他に「風俗営業関連」の目的が一緒に記載されていると、担当の役所からは許可が出ないこともあるので十分に注意が必要です。 「なるほど、事業目的と許認可についてのことは理解ができた、でも事業目的ってどうやって書いたらいいのだろう?」 このような疑問を持った方は、下記に事業目的の書き方を説明しておきますのでお時間があればお読みください。 ■事業目的の書き方 ●事業目的に必用な3つの要素 事業目的には次の3つの要素が必要とされています。 明確性 誰が読んでもわかるように明確であること。 適法性 事業の目的に違法性がないこと。 営利性 株式会社は利潤を追求します。「公園のボランティア清掃」このような目的は認められません。 これら3つの項目に注意を払いながら事業目的を考えていきます。 ●具体的な事業目的の書き方 まず、設立する会社で何が行いたいのか、また将来的にやりたいビジネスを紙に書き出してください。書き出す際の注意点は、先の3つに留意しながら書き出すことです。 目的はいくつ書いてもかまいません。また書き出した事業の内容に脈絡がなくても大丈夫です。 たとえば下記のような場合です。 1 託児所の経営 2 ゲームセンターの運営及び企画 会社を立ち上げたらすぐに着手するビジネス。 将来やってみたいビジネスを好きに書いてください。 また、目的に書いたからといって、その事業を必ず行わなくてはいけないという決まりもありません。 |
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